更年期について

更年期とは

卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が減少し始め閉経になるまでの時期のことをいいます。年齢としては45才~55才が更年期の時期にあたり、女性の体に大切な女性ホルモンが欠乏することで、いろいろな症状(更年期症状)が現れます。
女性ホルモンを補充し、エストロゲン欠乏状態を正常に戻し更年期障害を治療するのがホルモン補充療法(HRT)です。

更年期は病的な状態

今から450万年前にアフリカで人類が誕生して以来、女性の閉経年齢はあまり変化せず、およそ50歳前後です。(グラフ参照)
ところが女性の平均寿命は、200年前までは40才前後、70年前には50才に達し、現在では80才を越えてしまいました。長生きは永久の願望でありいいことですが、70年前までは経験せずに済んだ更年期障害で悩ませられる時代になりました。

つまり閉経後の30年間は、本来あるべき女性ホルモンがなくなってしまった病的な状態で生活しなくてはならなくなったのです。更年期は自然な状態ではなく、急激に女性を老化させる治療の必要な病的な状態なのです。

女性ホルモンとは

女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの2種類あり、左右の卵巣から分泌されます。更年期に関係するのはおもに卵胞ホルモン(エストロゲン)です。

女性は思春期に入ると脳の視床下部からあるホルモンが分泌され、その刺激で脳下垂体からゴナドトロピン(FSH,LH)が分泌され(青矢印)、左右の卵巣を刺激し、卵を発育、排卵させ、また卵巣から前述した2種類の女性ホルモンが分泌されます。更年期症状ホルモン補充療法副作用と実際もご覧ください。

女性ホルモンの作用

簡単に言うとこのホルモンは女性らしい体をつくりあげます。胸に作用し女性特有の乳房を作り、皮膚に作用しすべすべした肌を作り、子宮に作用し毎月月経を起こし、骨に作用し強い骨を維持します。

作用の中でも特に重要なのは中枢神経系(脳)、心血管系への作用で痴呆の防止や正常な血管状態を維持し、心臓の機能を正常に維持していることです。

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