妊婦健診について
妊婦健診について
当院は里帰りの方・他院でお産の方の妊婦健診のみを行っています。当院は「セミオープンシステム」を行っています。
セミオープンシステム
「妊婦健診はクリニックで、分娩は総合病院で」というシステムです。
クリニック(診療所)は、平日の夜や土曜日も診療しており、受診しやすく、子供連れの方も気兼ねなく受診できるメリットがあります。総合病院は、産婦人科だけではなく、小児科、内科、麻酔科などの医師が常在しており、突然急変することのありえる出産に対して緊急時でも対応できる安全性が備えられています。クリニックと総合病院のメリットを兼ね備えたのが、最近注目されている「産科セミオープンシステム」です。
当院が連携している分娩施設
- 大阪母子医療センター
- りんくう総合医療センター
- 堺市立総合医療センター
- 泉大津市立病院
- 府中病院
- ベルランド総合病院
- 耳原総合病院
(連携病院以外の病院で分娩予定の方でも当院での妊婦健診は可能です)
妊婦健診の受け方
1.妊娠が確定した時点で早めに健診する施設と分娩する施設を決めていただきます。
2.妊娠初期に分娩施設を紹介させていただきます。
(個人病院への紹介も可能です)
3.当院で健診希望の方は妊娠12週から妊婦健診が始まります。
妊娠初期血液検査(妊娠8週~12週)
妊娠おめでとうございます!
超音波で赤ちゃんが元気であることがわかりましたら、母児健康管理のために以下の妊娠初期血液検査をさせていただきます。なお、風疹にかかったのが確かな方、他院の検査結果をお持ちの方はお申し出ください。検査を省略させていただきます。
妊娠初期血液検査一覧
1.HCV抗体(C型肝炎)
2.HIV抗体(AIDS)
3.血糖
4.風疹抗体
5.トキソプラズマ抗体
6.抗TPO抗体(甲状腺疾患について)
7.不規則抗体(新生児の黄疸に関与)
8.HTLV-1抗体(ATLA)(白血病遺伝子の有無により授乳可能かどうかチェック)
母子健康手帳は、最寄りの保健センターまたは市(区)役所でお受け取りください。原則として検査結果はご本人以外にはお教えできません。
健診回数
腹緊を感じないのに妊娠5ヶ月(妊娠16週頃~)から子宮口が開いたり(頚管無力症・切迫流産)、妊娠8ヶ月前後(妊娠28週頃~)から子宮口が開く(切迫早産)場合がありますので、以下の検診には必ず内診をさせていただきます。
- 妊娠22週まで: 4週毎
- 妊娠22週~妊娠34週: 2週毎
今までの妊娠歴で流産・早産の既往がございましたら、必ず初診時にお知らせください。
超音波検査
当院では、基本的に以下のスケジュールにて妊娠中に6回の超音波検査を行っております。妊娠経過により回数が増えることがございますので、ご了承ください。
妊娠4週~妊娠6週 | 正常妊娠・子宮外妊娠・胞状奇胎について(膣式超音波検査) |
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妊娠6週~妊娠12週 | 胎児の生存・予定日決定について(膣式超音波検査) |
妊娠20週前後 | 胎児の発育・発見しうる奇形・胎盤の位置等 |
妊娠26週前後 | 胎児の発育・羊水量・内臓奇形について |
妊娠30週前後 | 胎児の発育・羊水量・内臓奇形について |
当院では妊娠中の超音波検査の画像をSDカードに録画いたします。帰宅後ご家族でお楽しみください。
4D超音波外来
胎児が立体的に動いているのが見える4D超音波の設備を設けております。4D超音波外来は専門の技師による撮影です。予約制になりますので、ご希望の方はお気軽にご連絡ください。ご家族でリアルな映像をお楽しみください。SDカード(DVD)への録画もしております。
※他院に通院されている方でも可能です。ただし胎児の向きによっては満足できる画像が得られないこともありますので、ご了承ください。
妊娠24週での検査(聴診・心電図)
乳房マッサージを始める時期であると共に、循環血液量が多くなる時期でもあります。負担がかかる心臓に異常がないかどうか、聴診と心電図によりチェックいたします。
骨盤位(さかご)
骨盤位妊娠の場合でも、もちろん経膣分娩は可能です。しかし赤ちゃんで一番大きな頭が最後に出てくるために、頭が引っ掛かり時間を要することがあるのも事実です。特に初めてのお産の場合、10人に1人位の割合で時間を要し、無理に分娩させたために脳性麻痺になることもあり、初産の骨盤位では帝王切開を希望する方が多いのが現状です。
当院では妊娠24週~妊娠25週で骨盤位の場合、以下のようにさかご体操を行っています。
- 妊娠26週~妊娠29週:さかご体操のみ
- 妊娠29週~妊娠33週:至陰法+さかご体操
その場に応じてスタッフがご指導いたします。
膣炎検査
妊娠中に膣炎になると早産になりやすいと言われており、赤ちゃんへ感染することもあります。当院では以下のように妊娠中に2回膣炎検査(帯下細菌検査)を行っております。
- 妊娠8週~妊娠12週:カンジダ膣炎・細菌性膣炎による流産予防のため
- 妊娠30週~妊娠34週:GBS(B群溶連菌)による新生児感染予防のため
カンジダ膣炎も赤ちゃんへ感染することがありますが、もっとも注意の必要なのはGBS(B群溶連菌)です。GBS陽性のお母さまから生まれた赤ちゃんの5%が感染し、髄膜炎などをおこし、致命率は25%~50%といわれています。
なおこれ以外で帯下が多い場合、外陰部に掻痒感のある場合も膣炎検査をさせていただきます。
染色体検査・胎児精密超音波検査(胎児ドッグ)について
胎児診断(胎児ドック)には染色体検査と胎児精密超音波検査があります。染色体検査は染色体異常を調べる検査で、新型出生前診断と羊水検査があります。胎児精密超音波検査は胎児の体の構造異常を調べるもので心臓奇形などがわかります。
胎児精密超音波検査(胎児ドッグ)について
胎児精密超音波検査について
一般に生まれた赤ちゃんの約2~5%に何らかの先天疾患がみられるといわれています。お腹の中の赤ちゃんに生まれつきの病気がないかどうか詳しく見るための超音波検査です。妊娠中の一般的な超音波検査では赤ちゃんの向きや推定体重、羊水の量、大きな奇形がないかどうかを見ます。
胎児精密超音波検査では、一般超音波検査では見れない心奇形や脳異常など形態的な異常についても100%ではありませんが詳細にチェックができます。胎児の先天的な異常を発見することで、適切な出生前後の管理・治療に繋げることを目的とした超音波検査です。
検査施設(病院)について
大阪母子医療センター
対象:妊娠24週から30週までの妊婦さん
府中病院
対象:妊娠26週から28週までの妊婦さん
ご希望の方はご紹介させていただきますので、お申し出ください。
染色体検査について
新型出生前診断(NIPT)(血液検査)
母体から採取した血液で胎児の染色体異常を調べる検査です。
検査を許可される条件
1.出産予定日時点で35歳以上を迎える高齢出産の場合。
2.妊婦さん本人あるいは旦那さんに染色体異常がある場合。
3.過去に実際に13トリソミー、18トリソミー、ダウン症候群を患った赤ちゃんを妊娠・出産した経験がある場合。
時期
妊娠10~18週頃
メリット
羊水検査とは違い、20ccの血液採取で済む
デメリット
1.自費診療のため、1種類の検査で約15万円かかる。
2.13-、18-、21-トリソミー(ダウン症候群)の3疾患のみの検査。
3.あくまでも80~90%の診断率であり、100%ではないため、場合によっては羊水検査が必要となります。
検査施設
- 大阪母子医療センター
- 大阪市立総合医療センター
- 大阪大学医学部付属病院
- 国立循環器病研究センター
羊水検査
母体の腹部に麻酔をし、注射器で羊水を採取し、胎児の染色体異常を調べる検査です。
出生前診断の中でも一番信頼性が高く、他の出生前診断で異常の疑いがある場合、「確定診断」として用いられる検査で、診断率は99.3%と言われています。
ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミー、ターナー症候群(Xモノソミー)、重複X女性、クラインフェルター症候群、YY症候群などがわかります。
費用は自費となり、10~15万円程度。
検査時期は、妊娠15週~18週のため、妊娠10週前後にはご紹介いたします。
100%安全な検査ではありません。羊水検査をして流産に至る確率は検査施設によると1/800(教科書的には1/300~400)と言われています。
検査施設
- りんくう総合医療センター(市立泉佐野病院)
- 大阪市立総合医療センター
産後について
これからは家族が1人増え楽しい生活が待っています。
しかし、楽しい生活である一方で睡眠不足になったり、ストレスがたまったりと、色々な悩みが出てきます。育児で大切なのはご家族の方々の協力です。お母様が中心であることは当然ですが、できるだけ育児に専念できるように、ご両親やご主人に協力してもらってください。
悩み事がございましたらお気軽にご連絡ください。ご相談・ご指導いたします。
悪露について
- 赤色悪露:産褥2~3日まで続く純血性悪露
- 褐色悪露:産褥4~5日から産褥3週間ごろまで続く褐色の悪露
- 黄色悪露:産褥3週ごろから2週間ほど続く黄色の悪露
- 白色悪露:産褥5週ごろから1週間ほど続く白色の悪露
悪露は人により個人差があります。褐色悪露が無くなった後、少量の出血がありすぐに止まれば問題ありませんが、出血が4日以上続く場合、月経様の多量の出血がある場合、腹痛が強くなった場合は当院までご来院ください。なお、身体が妊娠前の状態に戻るまで約2ヶ月かかります。
乳房マッサージ
必要に応じて乳房マッサージを行っております。乳房のトラブルがありましたら、早めにご連絡ください。
乳房マッサージ
母乳には赤ちゃんにとって充分な栄養が含まれ、赤ちゃんを病気から守る抗体も含まれており、育児には最も適した栄養分です。
当院では妊娠中に乳房のお手入れ、必要な場合は乳房マッサージを行っております。 それ以外にも乳房トラブルのある方には、産後トラブルの対応をはじめ、母乳相談・乳房チェック・乳房マッサージを行っております。
助産師外来
妊娠中を安全に快適に過ごしていただくために、当院では原則として妊娠中2回の助産師外来を行っております。妊娠中の2回以外にもご希望がありましたらお申し出ください。妊娠中は精神的・身体的にストレスがたまりやすい状態です。自分で解決しようとせずに助産師にお気軽にご相談ください。
卒乳指導
産後の卒乳についての指導を行っております。ご相談希望の方はお気軽にご連絡ください。
着帯指導
日本では戌の日に「安産」を祈って腹帯を巻く習慣があります。着帯指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。